2019年3月2日土曜日

かけある記 原発裁判 国・東電の責任認める(2019年2月22日)

横浜地裁が指針超える賠償命令

去る2月20日、かながわ訴訟(原告団長村田弘氏・南相馬市小高区飯崎)で横浜地裁は国と東電の責任を明確に認める判決を出しました。

判決の特徴は二つ

一つは東電自らの巨大津波の予見評価に対する国の規制権限不行使です。

▲東電は大津波を2009年月に予見していた。これは〖貞観地震.869年を考慮すれば、津波高は8.9㍍になるという試算結果を東電が国に報告した時期です。津波が敷地の10㍍を超えて事故に至ることを予見することができた。国は規制権限を行使し、その対策を取らせなかったことによるものと判決。

二つ目は中間指針が不十分であり、それを上回る賠償を認めたことです

▲国・東電は裁判で『中間指針を超える損害はない』としてきましたが、判決はそれを明確に退けました。例えば帰還困難区域だけが対象とされた「ふるさと喪失慰謝料」について、判決では、避難指示が出されたすべての区域に適用し、区域外避難者の避難慰謝料も認めました。これは原発避難の本質を明確にとらえた判決です。しかし賠償額は指針の枠を大きく超えるものとはなっていないのが残念です。いま、必要なことは打ち切りではなく最後の一人まで支援・救済を続けることです。

これまでの判決〉
 地 裁     国   東 電
前 橋地裁  ●    ●
千 葉 〃  ×    ●
福 島 〃  ●    ●
東 京 〃  ―     
京 都 〃  ●    ●
東 京 〃  ●    
いわき支部  ―     
横 浜地裁  ●    ●

注:千葉地裁以外は国の責任を認定している。「―」は国を被告とせず。

国家の責任の不在
政府は、原発事故を引き起こした国家の責任者として自己の検証・評価を行い、今後再稼働すべきかどうかを決定するという道筋を取るべきであった。それをやらない。無責任体制を象徴している。

知事の責務
そこに存在する原発が、起こしかねない原発事故について具体的な検証を行い、無事故でゆけるか見極める作業は欠かせない。そのためには事故原因の検証、福島の人々が直面している生活と健康問題の検証、避難計画の実効性の検証行うことは諸権限を有する県知事の責務といえよう。

原子力規制委員会の限界
委員長が「審査結果は新規制基準をクリアしただけであって、安全を保証していない」と言っていることだ。



〈にいがた自治体研究所 編〉

『原発再稼働を問う『三つの検証』の継続を

私は「原発をなくす新潟県連絡会」からのお誘いもあり、3月にお邪魔することにした。少しは新潟県のことを勉強しておかなければ、と思い、探しているうちに見つかったのが上記の本である。ご存知の通り、米山知事が突然、辞任されたが「3つの検証」はだれが知事になろうとも確実に実行されなければならない」と書かれている。

新潟県の福島原発事故の検証体制は「検証総括委員会」のもとに、「事故原因」、「健康と生活への影響」、「安全な避難方法」に関する3つの検証委員会が設置、検証されている。

冒頭に検証総括委員長としての池内了氏の序章(右に要約)の言葉は、原発(事故)の根本問題ともいうべきものである。堀内福島県知事にも是非一読をお勧めしたいし、福島県こそが新潟県に先んじて3つの検証が求められている。

かけある記 イオン浪江店(仮称)出店決まる (2019年2月16日)

2月1日覚書締結、今年夏オープン

12日の議会全員協議会で町長から「2月5日にイオンリテール浪江出店について辻社長と正式に合意、19日に覚書を調印したい」と報告がありました。帰還人口(896人/1月末)が少ない中、町内の買い物環境が大きく改善さるものと期待されます。場所は「かねこ」跡です。

修繕費6000万円町補助

引き続き全員協議会で、担当課から説明、議会との質疑応答がありました。
町の年間経費負担は店舗修繕費としてイオンリテールと家主に各3000万円、計6000万円と、年間家賃179万円(社協分69万と店舗分120万円)を5年間、町が補助するということです。莫大な町負担が発生することは間違いありません。
尚担当課長の説明によれば修繕費はこれ以上かかり、試算中である、ということです。また「出店事業者に修繕費として、3000万円の補助があることはこれまで町から説明がなかった。そうであるなら町内業者が出店を希望したのではないか。」、「修繕費3000万円の根拠は何か」などの質問があり、担当課長は「事業再開に対する国の補助と同額にした。場所を限定して相手と交渉してきた」と答えました。
開店予定は今年夏で店舗の駐車場は約50台、店舗面積は880㎡(約266坪)、取扱商品は生鮮3品(肉・魚・野菜)、総菜、弁当、日用品(下着類、洗剤など)のほか家庭用医薬品などを予定している。

浪江小・中学校が閉・休校あれから8年

まもなく卒業式、そして入学式が行われる季節。残念ながら避難先の浪江中学校の閉校と浪江小・中7校が閉校を迎えることになった。学び舎の歴史と伝統、思い出が失われてしまうのか。心に秘めよう。原因は原発事故である。残念…。涙が止まらない。 

〈避難先の閉校〉
 ・浪江中学校針道校舎(新年度在校生ゼロ)
〈町立小・中学校休校〉
 ・浪江中、浪江東中、津島中・幾世橋小、請戸小、大堀小、狩野小

なみえ創成小・中学校の校歌、決まる

空と海が あおくめざめて
 星はやさしく 雲を追いかけ

はじめのかなた 光をはこぶ 
 かぜにあこがれ 夜明けの道で

知る 学ぶ 想う 愛する
 歌う 笑う 駆ける はばたく

季節はぼくに 君は未来に
 声はいのちに 鳥はこころに

虹をかけたい
 なみえの朝だ 創成のとき

作詞:和合亮一/作曲:信長貴富
(発表は3月16日)


震災による住宅被害と生活再建支援金について

帰還困難区域からの相談がありますのでお知らせします。
◆基礎支援金(単位円)
     
複数世帯
    単 身
       
判 定
100万
75万
全壊①
50万
37.5万
大規模半壊
100万
75万
半壊③

加算支援金(単位円)
     
複数世帯
    単 身
      再建方法
200万
150万
建設購入①
100万
75万
補修
50万
37.5万
賃貸③ 
申請期間:H32.4.10まで

帰還困難区域は延長、みなし認定を