2017年7月18日火曜日

かけある記(2017年7月16日)「福島への責任は原発を動かすこと」!?東電会長発言と第8回ふるさと返せ!津島原発裁判

去る7月10日、原子力規制委員会の会議で「福島への責任は何か」をとわれ、東電川村会長は「原発を動かすのが責任」と答えたという。これは7月11日の福島民報と福島民友の報道である。福島民報の論説(7月13日)でも「原因企業のトップの発言からは被災地、被災者への思いはみじんも感じられない」との指摘は当然である。

7月14日には福島地裁郡山支部で津島原発訴訟第8回口頭弁論が開かれた。原告の窪田たい子さんと石井ひろみさんが意見陳述。窪田さんは「津島にいたころは、自由に自分の仕事ができ、自宅の目の前にある日山を眺めらよく「相馬流山」をうたった。」「いまは生活基盤も奪われ、母は認知症になり、介護はつらいです。きっと津島にいればいろんな人に気軽に相談できたでしょう」と涙ながらに法廷での意見陳述を報告集会で再現。石井ひろみさんは、父は大企業に勤め転勤族であったこと、津島の旧家に嫁ぎ「ここがわたしのふるさとになる」と覚悟を決め「津島で暮らして40年」。「津島を返せというのは、人生を返せということです。自分の人生をかけて、わたしは訴えているのです」と静かに、凛として訴えました。

私たちは夏も冬も裁判の都度、郡山駅西口で街頭から訴えてきました。この日も30度を超す炎天下、原告や支援者、弁護団40名あまりで行動。『ノーモア避難者。私たちは故郷を取り戻し、国・東電の責任を明らかにさせるため、裁判に立ち上がりました』と約30分間、僕は訴えたのです。東電には県民・被災者のこの訴えが聞こえないのでしょうか。「あきれた話」で済む話ではない。


水素社会は本当にエコでクリーンか/共産党県議団学習会


7月13日、二本松での学習会。講師は環境ジャーナリストの小澤祥司さんです。『水素エネルギー?』、安全なのか、安価なのか、産業創出は、など疑問だらけです。事の始まりは「福島・国際研究産業都市構想」、いわゆる「イノベーション・コースト構想」である。そして「世界最大規模となる水素製造拠点・浪江に決定」と報じられたのが去る5月11日です。勿論、それ以前から着々と計画が進められてきたのだと思う。私が重大な関心を持たざるを得ないのは果たして「復興の拠点」になるのか?ということです。

講師の小澤氏は資料を駆使して「水素エネルギー」について分かりやすく話してくれた。
  • 水素は自然界には存在しない二次エネルギーであること
  • 水素を取り出す電気分解で30~50%のロスが出ること
  • 加工・貯蔵・運搬に大量のエネルギーを必要とし、移動・変換の度に莫大なロスが出ること
  • 燃料電池車(FCV)は一台700万円超であり、水素ステーションも一基4~5億円かかる、など問題と課題が多すぎる、「未来はない」ということでした。



水素オリンピック」で福島の復興をアピール?政府は「福島復興特措法」を改正し、これを推進するという。果たしてイノベ・水素拠点構想が福島の復興=浪江の生業再建にどれだけつながるのか。町民が案心して戻れる、住むことができるようにすることこそが町民の願う「復興である」と僕は思う。

2017年7月11日火曜日

かけある記(2017年7月9日)都議選「アベ政治」に明確な審判下る!!

共産党が最後の議席を争う江東区と町田市の結果が出る翌3日の午前0時過ぎまで開票を見守った。最終盤、妻が北区の支援へ。結果は自民に競り勝ち共産党が17から19議席へ。おもわず『ヤッター』と叫んでしまった。自民党は53議席から23議席に。歴史的惨敗である。「安倍退陣」の声はますます強まるだろう。

加計・森友などのお友達政治、政治の私物化、驕りは目に余る。「改憲」を叫ぶ安倍政治に明確な審判が下され、小池都知事率いる勢力が「圧勝」とマスコミは書いた。

私は二つのことを考えさせられた。一つは安倍政治の共犯者である公明党のことである。国政では勿論、あらゆる選挙で「自公協力」の路線が取られて久しい。一昨年の「戦争法」、そして今回の「共謀法」しかりである。それが都議選では「小池旋風」に乗り、悪政の共犯者としての批判をまんまとスリ抜けたのである。選挙協力は「他党」のことではあるが「安倍政治の共犯者」であることは明らか。マスコミの腰が引けているのはなぜなのか、摩訶不思議である。公明党の体質を掘り下げる必要がある、と僕は思う。

いま一つは小池百合子という政治家についてである。週刊誌では「小池総理」への目算がとり沙汰されている。一方、朝日新聞声欄(7月8日)、峯田 千鶴さんの投書は「政治家小池百合子」を憲法の視点で見ている。小池氏は「2000年11月の衆院憲法調査会で『現行の憲法を停止する、廃止する、そのうえで新しいものを作っていく』考えに賛同すると発言した」、とある。都議選の終了直後、都ファの代表についた野田氏のことも「12年10月の都議会で「日本国憲法は無効で大日本国憲法が現存する」との請願に賛成。」とある。私はこれを読むまで知らなかった。都知事と都議会第一党の代表者である両者の現憲法への姿勢が問われてしかるべき、と私は考える。


東電元幹部の強制起訴、初公判で明らかにされたこと

未だに誰一人責任を取らない原発事故。6月30日、その刑事責任を問う初公判が開かれた。3人の被告は何を語るのか、検察官役の指定弁護士の証拠主張に注目した。
第一回公判で注目した事がある。2008年に東電から委託され、東電設計が「巨大防潮堤図面」を作成していたである。これは原発の東側、原発敷地上に高さ10メートル(敷地は海抜約10メートル上にあり、合わせると防潮堤は20メートルの高さになる)の防潮堤を建設するという計画である。当時の原子力安全・保安院が「地震・津波対策として指示した「耐震バックチェック」に基づき東電側が検討した津波対策がそれである。まるで3・11の地震・津波を予想していたかのような資料が証拠として示されたのである。これに対し東電側は、「防潮堤計画は「試みの計算」であると逃げたのである。そして3人は無罪を主張した。しかし「試計算」があったということは「予見していた」ことであり、「予想した」事実は消しようがない、と言わなければならない。誰が、なぜつぶしたのか。逃げ得は許せない。