去る7月10日、原子力規制委員会の会議で「福島への責任は何か」をとわれ、東電川村会長は「原発を動かすのが責任」と答えたという。これは7月11日の福島民報と福島民友の報道である。福島民報の論説(7月13日)でも「原因企業のトップの発言からは被災地、被災者への思いはみじんも感じられない」との指摘は当然である。
7月14日には福島地裁郡山支部で津島原発訴訟第8回口頭弁論が開かれた。原告の窪田たい子さんと石井ひろみさんが意見陳述。窪田さんは「津島にいたころは、自由に自分の仕事ができ、自宅の目の前にある日山を眺めらよく「相馬流山」をうたった。」「いまは生活基盤も奪われ、母は認知症になり、介護はつらいです。きっと津島にいればいろんな人に気軽に相談できたでしょう」と涙ながらに法廷での意見陳述を報告集会で再現。石井ひろみさんは、父は大企業に勤め転勤族であったこと、津島の旧家に嫁ぎ「ここがわたしのふるさとになる」と覚悟を決め「津島で暮らして40年」。「津島を返せというのは、人生を返せということです。自分の人生をかけて、わたしは訴えているのです」と静かに、凛として訴えました。
私たちは夏も冬も裁判の都度、郡山駅西口で街頭から訴えてきました。この日も30度を超す炎天下、原告や支援者、弁護団40名あまりで行動。『ノーモア避難者。私たちは故郷を取り戻し、国・東電の責任を明らかにさせるため、裁判に立ち上がりました』と約30分間、僕は訴えたのです。東電には県民・被災者のこの訴えが聞こえないのでしょうか。「あきれた話」で済む話ではない。
水素社会は本当にエコでクリーンか/共産党県議団学習会
7月13日、二本松での学習会。講師は環境ジャーナリストの小澤祥司さんです。『水素エネルギー?』、安全なのか、安価なのか、産業創出は、など疑問だらけです。事の始まりは「福島・国際研究産業都市構想」、いわゆる「イノベーション・コースト構想」である。そして「世界最大規模となる水素製造拠点・浪江に決定」と報じられたのが去る5月11日です。勿論、それ以前から着々と計画が進められてきたのだと思う。私が重大な関心を持たざるを得ないのは果たして「復興の拠点」になるのか?ということです。
講師の小澤氏は資料を駆使して「水素エネルギー」について分かりやすく話してくれた。
- 水素は自然界には存在しない二次エネルギーであること
- 水素を取り出す電気分解で30~50%のロスが出ること
- 加工・貯蔵・運搬に大量のエネルギーを必要とし、移動・変換の度に莫大なロスが出ること
- 燃料電池車(FCV)は一台700万円超であり、水素ステーションも一基4~5億円かかる、など問題と課題が多すぎる、「未来はない」ということでした。
「水素オリンピック」で福島の復興をアピール?政府は「福島復興特措法」を改正し、これを推進するという。果たしてイノベ・水素拠点構想が福島の復興=浪江の生業再建にどれだけつながるのか。町民が案心して戻れる、住むことができるようにすることこそが町民の願う「復興である」と僕は思う。