2017年8月7日月曜日

かけある記 ヒグラシと古墳の森(2017年8月5日)

「盛夏」の候なのに、ここ数日は夏も終わりかと思わせるような涼しい日が続いた。今日はようやく夏の陽気が戻ってきた。カナカナカナ...静かな夕餉のころ、近くのこんもりした林からヒグラシの鳴き声が響いてきた。カナカナカナ...天皇檀古墳の森からである。

私の住む大玉村大山は道路一本で本宮市と接している。自宅から西方、そう…約30メートルほどでしょうか。すぐ近くに天皇檀古墳(福島県指定史跡)がある。正面の案内板には「墳丘上に牛頭(ごず)天皇をまつっていたので天皇檀古墳と呼ばれている」と書かれている。発掘された多数の埴輪などから5世紀後半頃の築造と推定される、ともある。古墳一帯はAさんの屋敷内にあり、古墳の前にはビニールハウスも建っている。

静寂の森にしみこむようにカナカナカナ...と鳴き続けるヒグラシの声。悠久の時をつなぐ声なのかも知れない。それにしても静かな風景である。7年目の我が家の雑木林でも、ヒグラシが静寂を支配しているだろうか。


国道114号線自由交通と津島地区住民の不自由ーー帰還困難区域の新たな規制・負担・不便は大問題

 原発避難は異質な災害である。人間はそもそも自由を求めて戦い続けてきた歴史がある。原発事故は差別と分断と抑圧の最前線、即ち市民的自由と基本的人権を守る戦いであるといわなければならない。

 原発事故の幕引きを図りたい「アベ政治」は、国民と県民、県民や地域住民の間に様々な分断を持ち込んできた。例えば20ミリシーベルト安全論による早期の避難解除と賠償打ち切り。放射線線量基準による原発避難の区域再編も、根本は分断である。

 今、早期の避難解除や「復興加速」の旗振りのもとで新たな分断と不自由、規制が持ち込まれようとしている。それが帰還困難区域である津島地区を縦断する国道114号線の「自由交通」である。馬場町長は「(秋の)彼岸ころまでには通れるようにしたい」と早々に記者に応えていた。

 その後、8月3日に臨時議会を開催。津島地区内のみ114号沿線に無人バリケード15ケ所、枝線封鎖用バリケード10ケ所、防犯カメラ設置の計画と説明。その他19200万円の町補正予算が議決された。現在の水境と室原にある有人監視システムは廃止される。

町は約束通り住民説明会を開くべきである

 馬場議員は「防犯対策は当然であるが711日の区長会で宮口副町長らが約束した通り、住民説明会を開催すべきである」こと、「津島地区沿線は今なお線量が高い。114号線沿線の除染を先行すべきである」「高線量のまま、一般市民の自由通行を認めることは多数の被ばく者をつくることになる。

 自由通行の一方で、津島地区内が新たに20個所以上も封鎖され、住民立ち入りの際にはその都度ゲートの開放を求めなければならなくなる。新たな規制強化と差別であり、認めることはできない」と指摘。現状での自由通行を認める補正予算に反対の態度を取りました。