2017年9月22日金曜日

かけある記 国道114号〜自由通行再開の明と暗〜(2017年9月22日)

原発避難から6年半、9月20日から国道114の自由通行が再開された。新聞。テレビは「復興加速に期待」と報じている。馬場町長は「復興が加速化する。緊急時の避難路や中通りへの救急搬送など、命をつなぐ道路にもなる」(9/21福島民報)と話している。たしかに6年半の通行規制は誰もが長く、不便に感じていたことは事実。復興加速は皆の願いでもある。

その一方で津島地区はバリケード封鎖、ハチに刺されても「籠の鳥」

114号沿線の枝線、特に津島地区は「帰還困難区域につき通行止め」の看板がいたるところ設置されている。鍵付きバリケードが24所、枝線はすべて封鎖された。出入りの都度、開錠してもらわないと自宅にも立ち入りできない。立ち入り許可と二重の制限が取られた。

20日は彼岸の入り。墓参を兼ね自宅立入したSさんが不運にもスズメバチに刺されるという事故が発生した。彼はこう話してくれた。
『草刈りをして30分も過ぎないうちハチに刺されてしまった。雑音の入るトランスシーバーで漸く活性化センターに連絡。枝線の鍵を開けに来るまで約20分、最悪命にかかわることだ』
『これから何があるかわからない。鍵の取り扱いを改善しないと家にも帰れない。俺たちも浪江町民。おめでとう?納得できないね。何とかしてもらいたいよ』と話してくれた。

町は住民説明会を拒否

114号自由通行については、馬場議員は住民説明会の開催と道路沿線の緊急除染を求めてきました。町は「地区住民に通知を出すので説明会はやらない」と回答。このままでは混乱が続く心配があります。緊急対応も含め改善が必要です。


議会報告(9月議会馬場議員一般質問)

【質 問】83日の臨時議会に上程された入札結果は次の通りです。


復興に欠かせない事業であっても、入札改善は別問題です。従来の発想を変えた必要な入札改善について3点提案します。
  1. 第三者による入札結果の検証と入札改善について提言をまとめ、議論の過程を情報公開すること。
  2. 一者入札を禁止すること。
  3. 落札率95%を超える契約案件について弁護士などが参加する監視委員会で調査し、その結果を情報公開すること。対応についてお答えください。

【答弁:企画財政課長】
  1. 町の工事等指名委員会で審議し、適切な入札に努めています。
  2. 一者入札は望ましくないと認識し、適切な業者数の確保に留意しています。
  3. 現在検討しておりません。



 

2017年9月17日日曜日

かけある記 北朝鮮問題ーー講義と平和解決を求める意見書採択(2017年9月16日)

浪江町議会は議会最終日の15日、「北朝鮮の弾道ミサイル発射及び核実験に断固抗議するとともに米朝対話による平和的解決を求める意見書」を全会一致で採択しました。

馬場議員が提出者となり賛成者5名が署名(山崎、山本、高野、松田、紺野)提出、全会一致で採択されました。意見書を要約、紹介します。


弾道ミサイル発射と核実験を強行した北朝鮮の暴挙に対し厳重に抗議するとともに、北朝鮮が核兵器の廃絶と恒久平和を願う国際世論や浪江町民の願いを真摯に受け止め、今後二度と再び核実験を実施することがないよう強く求める。
依って政府並びに国会は、さる12日国連安全保障理事会が北朝鮮に対する経済制裁強化決議を全会一致で採択されたことを直視し、決議の履行と、「米朝の直接対話を通じた平和的解決」のためにあらゆる行動をとることを求めるものである。

平成29年9月15日
双葉郡浪江町議
 
提出先 衆議院議長 参議院議長
    内閣総理大臣 外務大臣 内閣官房長官



ある新聞記者の嘆きとエール

最近の出来事をひとつ。ある大手の記者M氏からTELがあった。取材は避難解除から帰還困難区域に拠点整備、避難町民の暮らしの現状など多岐に及んだ。最後に「野党共闘」のことが熱い話になった。彼の言わんとすることはこうである。

『この後の総選挙が野党にとって正念場になるのじゃないの。民進党は党首が変わったけれども、野党共闘はどうなるかはっきりしない。今の民進党を見ていると、何を信用していいのかわからない。仮に(野党共闘が)不調に終わったとしたら、民進党に入れても死票になるのではないかと思う』

続けてこうも話した。

『都議選を見てると共産党は本気だね。今のアベ政治に対する対抗軸がハッキリしている。ブレないよ。俺の田舎でも知人が市議選に出ることになったと聞いて正直驚いたよ。どこにでも組織があり、足で稼ぐ力もある。大したもんだ···』と、熱いエールをいただいた。

2017年9月3日日曜日

谷口さんを悼む



谷口稜曄(たにぐち・すみてる)さんが去る8月30日逝かれた。谷口さんの話を直接聞くことができたのは2015年4月24日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議/ニューヨーク行動でのことである。会場となったニューヨークのクーパーユニオン大学。開会セレモニーで『(被ばく半年後に米軍が撮影した自身のカラー写真を掲げ)私は当時16歳。背後から熱戦を浴び背中一面大やけど。痛みと苦しみの中で「殺してくれ!」と叫んでいました。私は地獄をさまよい手術を繰り返し、奇跡的に生き延びることができました。ノーモアヒバクシャ ノーモア ウォー』会場は静まり、暫くして大きな拍手が沸いたことを憶えている。
 
いま122もの国が賛成し「核兵器は違法」である、とした核兵器禁止条約が国連で採択さた。これは谷口さんをはじめ、核兵器禁止の声を上げ続けた市民の声と世界の力だと思います。背を向けている日本政府も、市民の共同の力で必ずそれを実現する日が来ることを私は確信します。

命をかけて、静かに語り続けた谷口さんの願いが。
安らかにお眠りください。 合掌

町議会9月定例議会は9月5日からです。

馬場町議の一般質問は9月5日、5番目に行います。傍聴できる方は是非お願いします。

1、復興の現状と課題について
・家屋解体受け付け締め切りの延長見直しは
・再除染と線量低下の実態は
・帰町された町民の診療の特徴と医師の補充見通しは
・帰町した町民が自由に集まれる施設開設の計画は
・水素製造拠点の諸問題は

2、仮設住宅の集約について
・現在入居者の立ち退き問題について
・他

3、帰還困難区域の諸問題について
・国道114号線の自由通行と枝線封鎖の管理について
・農地・集落保全と拠点整備計画の概要は
・他

4、工事請負契約と高落札率についてについて
・第三者による入札結果の検証と情報公開について
・一者入札の禁止について
・弁護士などが参加する監視委員会設置について

5、国保事業の制度変更と町の対応について
・県移管による国保税の試算について
・避難自治体に対する国の財政支援の継続は
・他

6、政治認識について
・安倍政権と改憲発議の認識を問う
・北朝鮮の核・ミサイル問題と米朝対話の提案について