2017年4月11日火曜日

か け あ る記 2017年2月12日 原発避難の苦難・不安「政府はわかっていない」大阪会場

原発避難の苦難・不安「政府はわかっていない(大阪会場)

 避難解除に関する住民懇談会は1月26日から2月10日まで10会場で行われた(県内6か所、県外4か所)。私は茨城会場を除く9つの住民懇談会に出席した。「町の復興はほぼ終わっている」、「帰還困難区域を除いて復旧した」(町長挨拶・2/10大阪会場)、「解除の条件はでそろった」(原災本部・今野・大阪会場)というけれども、果たしてそうなのか。各会場での意見は、6年を経過してもなお町民の苦難と不安は続いていることが浮き彫りになった。先ずは町民の生活と生業再建を優先すべきであり、「避難指示解除」は、あれこれの大型プロジェクトと取引するような問題ではない。一言でいうと「3月31日解除は時期早尚」という意見が圧倒的である。

町民の意見・質問と町・県・国の回答

<解除時期>
◆解除ありきの説明会ではないか。住民の声を聴いてから解除時期を提案すべきでないか。(大阪会場)
 ➡第三者委員会の解除要件に達した。解除しないと住民票は移せない。(解除しないと)浪江町はなくなってしまうのではないか。内閣府・今野)
(エッ、帰れないのは町民の責任?そもそもの原因と責任は?/馬場績

◆イノシシが侵入、被害がひどい。襲われる危険がある。(いわき会場
 ➡自己責任を取らせるわけではない。攻撃的な対策を取る。内閣府・松井)

<放射能汚染・除染>
◆昨年10月に「除染終わりました」の書類がきた。上ノ原の自宅は2.5~3.5µ㏜/hあった。線量が下がらない。町から借りた線量計が鳴りっぱなし。(南相馬会場)
◆上ノ原の自宅、昨年11月除染後、宅地土壌582万ベクレル/㎡。室内0.65µ㏜/h、年間6.5m㏜になる。
土壌汚染調査をやっているのか。(大阪会場)
◆家の中は除染していない。(東京会場)
 ➡(上ノ原地区は)住宅の下の方が高い。
 ➡土壌と内部被ばく、それはしっかりやる。自宅を測らせてもらう。(内閣府・松井
 ➡土壌を分析してやる方法もあるが空間線量(1メートル)を測りながら(宅地と周辺)除染している。

<生活支援・賠償継続>
◆「借り上げを一年延長する」というのは脅迫に聞こえる。家も壊したので帰れない。借り上げ住宅で一生終わるのでないかと思っている。(東京・86歳男性)
◆県は住宅問題で答えていない。(大阪会場)
◆神戸は20年で復興住宅を追い出している。福島県はどうなるのか。(大阪会場)
◆東電賠償では(東京は地価が高いので)自宅は買いない。年金で家賃を払い続けるのはムリ。家賃賠償を打ち切らないでほしい。(東京会場)
◆医療・介護、固定資産税免除など。
 ➡国にも相談する。(家賃賠償は28年度解除の場合)、30年3月までになっている。(県避難者支援課)
 ➡担当部長に聞いてから町に回答する。(県避難者支援課)
 ➡(賠償の)住居確保損害を利用すればよい。(内閣府・松井)会場から「わかっていない」などの声関係機関に伝える。(内閣府・松井)
 ➡年度ごと予算なので継続を求める。町長
 ➡国に財政支援を求める。

<原発廃炉など>
◆原発は費用が掛かる。町がこんな状態になっているのになぜ原発再稼働するのか。(東京、大阪会場)


 ➡原子力規制委員会の規制基準に合格した物は(再稼働を)認める。(資源エネ庁)